Quality of Serviceとは

 

Quality of Service (QoS)とは、限りあるネットワーク容量で優先順位の高いアプリケーションおよびトラフィックを処理するときの信頼性を保証するため、ネットワーク上で機能する一式のテクノロジです。QoSテクノロジでは、ネットワーク トラフィックの特定のフローごとに異なる処理方法と容量を割り当てることによって、QoSを実現します。これによりネットワーク管理者は、パケットの処理順位およびアプリケーションまたはトラフィック フローに振り分ける帯域幅を割り当てることができます。

QoSに関係する測定は、帯域幅(スループット)、遅延(待ち時間)、ジッター(遅延の変動)、およびエラー率です。このため、QoSは、遅延やジッターの影響を受けやすいVoIP (Voice over IP)、ビデオ会議、ビデオオンデマンドなど、高帯域幅のリアルタイム トラフィックの場合に特に重要です。最小帯域幅要件と最大遅延制限を持つこれらの用途は、「非弾力的」と呼ばれます。

パケットの順序付けと帯域幅の割り当てのためのQoSメカニズムは、それぞれキューイングと帯域幅管理です。ただし実装するには、分類ツールを使用してトラフィックを分ける必要があります。ポリシーに従ってトラフィックを分類することにより、最も重要な用途で十分なリソースを一貫して利用できるようにすることができます。

トラフィックは、ポートやIP別に大まかに、またはアプリケーションやユーザーによるより洗練された方法で分類することができます。後者のパラメータでは、より意味のあるデータの識別および分類が可能です。

次に、キューイングと帯域幅管理ツールには、ネットワークへの進入時に割り当てられた分類に固有の、トラフィック フローを処理するためのルールが割り当てられます。

キューイング メカニズムは、トラフィック フロー内のパケットをネットワークで処理する準備ができるまで保存することを可能にします。分類に基づいて割り当てられる優先度と特定の帯域幅を指定することにより、最も重要なアプリケーションおよびトラフィック群に対して必要な可用性と最小限のネットワーク パフォーマンス遅延を保証する、優先キューイング(PQ)が開発されています。これにより、優先度の低いアクティビティのために、ネットワーク上の最も重要なアクティビティに必要な帯域幅が不足することがなくなります。アプリケーション、ユーザー、およびトラフィックは、最大で8つに区別されたキューにまとめることができます。

帯域幅管理メカニズムは、容量を超過してネットワークが輻輳することを防ぐために、ネットワーク上のトラフィック フローを測定して制御します。帯域幅管理のメカニズムには、パフォーマンスを最適化または保証し、必要な場合に使用可能な帯域幅を増やすために使用されるレート制限手法であるトラフィック シェーピング、および特定のトラフィック フローに対して帯域幅を確保するためのさまざまな方法を提供するスケジュール アルゴリズムなどがあります。

プロバイダによっては、上記のサービスやコントロールを1つのボックスでまとめて管理できる場合もあります。パロアルトネットワークスのファイアウォールを使用したQoSはこれに該当します。このため、QoSの測定値と分類をボックス外およびダウンストリームのネットワーク インフラストラクチャに伝達するために、Differentiated Services Code Point (DSCP)が実装されています。DSCPは分類に基づいて各パケットにマークを付け、パケットが通過する各ボックスにこれを伝達することにより、QoSポリシーが一貫して実施されるようにします。