マネージド ディテクション&レスポンス(MDR)とは

マネージド ディテクション&レスポンス(MDR)は、サイバーセキュリティ サービスであり、高度なテクノロジと人間の専門知識を組み合わせてエンドポイント、ネットワーク、クラウド環境を24時間365日監視する予防的なアプローチです。目標は、専門知識、プロセス、高度なテクノロジの組合せを利用してサイバー脅威を検出し、脅威に対処することにより、リスクを軽減し、セキュリティ運用を強化することです。

主な機能には以下のようなものがあります。

  • 継続的監視
  • 予防的な脅威ハンティング
  • ガイド付きのレスポンスと修復

MDRサービスのフレームワーク

MDRサービス は、変化するサイバーセキュリティ環境に対処するために大きな進化を遂げており、高度なテクノロジと手法を統合して、巧妙な脅威に対する包括的な保護を提供します。旧式のセキュリティ サービスとは異なり、MDRは予防的な脅威ハンティング、迅速なインシデント レスポンス、24時間体制のモニタリングを行って、従来のセキュリティ対策の欠点を解消します。

マネージド セキュリティ サービス プロバイダ(MSSP)のような旧式のサイバーセキュリティ サービスは、通常はモニタリングとアラートに重点を置いており、レスポンス アクションには能動的に関与しません。インシデント レスポンスの責任は顧客に負わせています。一般にMSSPが提供する受動的な自動モニタリングは、急速に進化する巧妙なサイバー脅威への対応には十分でない場合があります​

そこで、拡張ディテクション&レスポンス(XDR)などの高度な脅威検出テクノロジと、人間の専門知識を統合する包括的なセキュリティ オファリングとして、MDRが登場しました。この組合せにより、総合的かつ効果的なアプローチでサイバー脅威を特定し、緩和することが可能になり、絶え間なく進化する脅威環境でさらに高いレベルの保護が提供されます。

MDRサービスのフレームワーク

MDRフレームワークは、3つの主要な領域に分けることができます。すなわち、MDRのコア コンポーネント、MDRを支えるテクノロジとツール、MDRでのセキュリティ運用センター(SOC)の役割です。MDRサービスのフレームワークは、連携して包括的アプローチでサイバーセキュリティを提供するコア コンポーネントを基盤としています。

高度なテクノロジとツールによりこれらのサービスの有効性が高まり、SOCにより進化する脅威から組織が継続的に保護されるようになります。

マネージド ディテクション&レスポンスのコア コンポーネント

MDRサービスのコア コンポーネントは、強力で予防的なサイバーセキュリティ体制を確立するために不可欠です。これらのコンポーネントが連携して、サイバー脅威に対するシームレスで効果的な防御を提供します。

脅威ハンティング
脅威ハンティングは、旧式のセキュリティ対策を回避していた可能性がある潜在的な脅威を能動的に絶え間なく探す、予防的なサイバーセキュリティのアプローチです。自動化されたシステムのみに依存するのではなく、脅威ハンターは自身の専門技術や知識を活用して、以前は検出も分類もできなかった異常な動作や潜在的な脅威を見極めます。

この実践的アプローチにより、組織は巧妙なステルス性の脅威を早い段階で発見でき、組織のセキュリティ体制への潜在的な影響を最小限に抑えることができます。

インシデント レスポンス
インシデント レスポンス は、セキュリティ インシデントの発生後の影響に対処するための包括的な体系化された方法です。このプロセスでは、脅威を迅速に特定した後、素早い封じ込め、根絶、攻撃の影響を最小限に抑えるための復旧作業が行われます。

インシデント レスポンス チームは、詳細な分析を実施し、該当する関係者と連携して、調整の取れた効果的なレスポンスを確実に行います。さらに、同じようなインシデントの発生を今後は防止するための対策を実施します。効果的なインシデント レスポンス計画は、インシデントによって生じる損害を最小限に抑えるだけでなく、事業運営の継続性にも重点を置きます。

エンドポイント ディテクション
エンドポイント ディテクション は、コンピュータ、モバイル デバイス、サーバなど、個々のデバイスのモニタリングと保護を中心とする、重要なサイバーセキュリティ対策です。これらのエンドポイントで発生するアクティビティと動作の継続的分析によって、マネージド ディテクション&レスポンス(MDR)サービスは潜在的なセキュリティ脅威をデバイス レベルで特定し、対処できます。

このアプローチが重要な理由は、ネットワークへの不正アクセスを狙うサイバー攻撃者の主な目標がエンドポイントであることがよくあるためです。

MDRサービスが内部の専門知識、リソース、またはテクノロジを拡張して、より効果的にサイバーセキュリティ脅威を検出し、対応する方法については、こちらの記事よりご覧いただけます:マネージド ディテクション&レスポンス(MDR)サービスとは

脅威インテリジェンスと分析
脅威インテリジェンス は、現在の脅威と最新の脅威に関する情報を収集し、分析して得られる知識です。このインテリジェンスにより、検出とレスポンスの戦略が適切に定められ、その戦略が最新の脅威に合わせて更新され、効果的に機能するようになります。脅威インテリジェンスの分析は、攻撃者が使用している手法、戦術、手順(TTP)の理解に役立ち、防御メカニズムの効果を高めることができます。

MDRを支えるテクノロジとツール

MDRサービスは、有効性を高めるために各種の高度なテクノロジとツールを活用します。これらのテクノロジは、脅威のモニタリング、検出、対応をリアルタイムで行うために必要な機能を提供します。

エンドポイント ディテクション&レスポンス(EDR)
EDRソリューション は、エンドポイントのアクティビティを継続的に監視して分析し、疑わしい動作を検出します。EDRツールは以下のことを行います。

  • エンドポイントからデータを収集する
  • 侵害の兆候がないか分析する
  • 脅威の性質と範囲について詳細な見識を提供する
  • 攻撃の迅速な検出とレスポンスを可能にし、潜在的な損害を最小限に抑える

セキュリティ情報イベント管理(SIEM)
SIEMシステム は、組織のITインフラストラクチャ全体にわたる各種ソースからのデータを集約し、分析します。イベントを関連付けてパターンを特定することにより、SIEMソリューションは異常と潜在的な脅威の検出に役立ちます。セキュリティ環境を一元的に可視化できるので、インシデントの管理と対応が容易になります。

次世代アンチウイルス(NGAV)
NGAV は、機械学習や動作分析などの高度な手法を使用して、巧妙な脅威を検出し、ブロックすることにより、従来のアンチウイルス ソリューションより優れた能力を発揮します。NGAVソリューションの目的は、従来のアンチウイルス システムでは見逃される可能性がある未知の脅威とゼロデイ エクスプロイトを特定して、保護を強化することです。

拡張ディテクション&レスポンス(XDR)
XDR は、複数のセキュリティ製品をまとまりのあるシステムに統合して、脅威環境をより幅広く可視化します。エンドポイント、ネットワーク、クラウド環境の全体にわたるデータを関連付けることにより、XDRは複雑な脅威を検出して対応する能力を強化します。この総合的なアプローチにより、脅威の検出とレスポンスの作業全体の効率と効果が向上します。

MDRでのセキュリティ運用センター(SOC)の役割

セキュリティ運用センター(SOC) はMDRサービスの中心であり、セキュリティ脅威を監視して検出し、対応するためのコマンド センターとして機能します。SOCのスタッフ は、組織の資産を保護するために24時間体制で勤務する、熟練のセキュリティ アナリストとインシデント レスポンダーです。

SOCは、高度なツールとテクノロジを活用して組織のIT環境を継続的に監視し、潜在的な脅威を特定し、レスポンスを調整します。ネットワークを慎重に監視し続けているSOCは、侵害の兆候があれば確実に素早く特定して対処します。

SOCはまた、脅威ハンティングとインシデント レスポンスの実施、および組織のセキュリティ戦略への脅威インテリジェンスの統合にも重要な役割を果たします。

MDRとEDRとMSSPの違い

マネージド ディテクション&レスポンス(MDR)、エンドポイント ディテクション&レスポンス(EDR)、マネージド セキュリティ サービス プロバイダ(MSSP)の違いを理解することは重要です。これらのサービスはそれぞれ、固有の機能とメリットを備えており、組織のセキュリティ ニーズの異なる側面に対処します。これらのサービスを明確に区別することにより、組織はセキュリティ戦略に関する意思決定を十分な情報に基づいて行うことができます。

MDRとEDRの違い

MDRとEDRは両方ともサイバーセキュリティに重要な役割を果たしますが、範囲と重視する点が異なります。MDRは、エンドポイント、ネットワーク、クラウド インフラストラクチャを含む、IT環境全体を包括する幅広く統合されたアプローチで、脅威の検出とレスポンスを行います。

これに対して、EDRはエンドポイント セキュリティに特に重点を置いており、個々のデバイスに対して深い可視性と保護を提供します。MDRサービスは、全体の戦略の一部としてEDR機能を組み込んでいることが多く、より包括的なソリューションを実現します。EDRソリューションは、エンドポイントのアクティビティを可視化し、高度な分析を使用して疑わしい動作を検出します。

EDRの主な機能は以下のとおりです。

  • エンドポイント監視: エンドポイントのアクティビティを継続的に追跡して、侵害の兆候を特定します。
  • 動作分析: エンドポイントの動作を分析して、異常と潜在的な脅威を検出します。
  • レスポンスの自動化: 自動化されたアクションを実装して、エンドポイント レベルで脅威を封じ込め、修復します。
  • フォレンジック: インシデント後の分析のために、エンドポイント攻撃の性質と範囲に関する詳細な見識を提供します。

MDRとEDRの違いの詳細: MDRとEDRの違いは?

MDRサービスが従来のMSSPよりも強化されている点

MSSPは、幅広いセキュリティ サービスを提供して、組織のセキュリティ インフラストラクチャと運用の管理を支援します。これらのサービスには一般に、ファイアウォール管理、侵入検出・防御、脆弱性評価、セキュリティ モニタリングが含まれます。MSSPは、セキュリティ テクノロジの管理と維持のために有益なサポートを提供しますが、主に重視しているのは運用効率であり、予防的な脅威の検出とレスポンスではありません。

MSSPはセキュリティ テクノロジの管理と最適化に重点を置いている一方で、MDRサービスは脅威の検出とレスポンスを重視しており、サイバーセキュリティへのアプローチはより動的で予防的です。より高いレベルの脅威の検出とレスポンスの機能が必要な組織には、MDRが提供する包括的なサービスが有用です。

社内セキュリティ チームとのMDRの統合

協調的なアプローチでMDRサービスを社内セキュリティ チームと統合すれば、組織全体のセキュリティ体制を大幅に強化できます。MDRの予防的、包括的な機能を、社内チームの状況に即した知識や運用の専門技術と組み合わせることで、より回復力の高い効果的なサイバーセキュリティ体制を築くことができます。この連携により、MDRプロバイダと社内チームの双方の強みが活かされます。

MDR統合の主な利点は以下のとおりです。

  • 専門知識の強化: MDRサービスは、社内チームの能力を補う専門的なスキルと知識を提供します。
  • 24時間365日の対応: MDRは、24時間体制のモニタリングとレスポンスを提供し、社内チームの勤務時間外にも継続的な保護を確実に行います。
  • 拡張性: MDRサービスは、組織のセキュリティ ニーズの進化に応じて容易に拡張可能で、必要に応じて追加のリソースとサポートを提供します。
  • 高度な脅威の検出: MDRは、最先端のテクノロジと脅威インテリジェンスを使用して、社内チームの能力を上回る可能性がある巧妙な脅威を検出します。

統合戦略は以下のとおりです。:

  • 明確なコミュニケーション チャネル: MDRプロバイダと社内チームの間で明確なコミュニケーションを確立することにより、スムーズな共同作業と脅威への迅速なレスポンスが可能になります。
  • 役割と責任の定義: MDRプロバイダと社内チームの双方の役割と責任を明確に定義すれば、作業の重複を避けることができ、リソースが効果的に利用されるようになります。
  • 定期的なレポートとフィードバック: MDRプロバイダからの定期的なレポートとフィードバックは、社内チームがセキュリティ環境を常に把握し、チーム自体の日常業務を改善するために役立ちます。
  • 共同インシデント レスポンス計画: 共同インシデント レスポンス計画を立案することで、MDRプロバイダと社内チームの双方がセキュリティ インシデントの発生時に効果的に連携できるようになります。

MDRの実装

MDRを実装するには、さまざまな要因を慎重に検討し、体系化された移行計画を立て、MDRソリューションの有効性を継続的に測定する必要があります。MDRプロバイダを選択する際に検討すべき重要事項、MDRサービスに移行するための段階的なプロセス、MDRソリューションの有効性を測定する方法について、概要を確認することが重要です。

MDRプロバイダを選択する際に検討すべき重要事項

正しいMDRプロバイダを選択することは、組織の具体的なセキュリティ ニーズを確実に満たすサービスを利用するために不可欠です。検討すべき重要事項は以下のとおりです。

サイバーセキュリティの専門知識と経験
サイバーセキュリティ プロバイダを選択する際には、プロバイダの業界知識、認定プロフェッショナル、実績を検討することが重要です。業界知識が不可欠である理由は、それぞれの業界に特有のセキュリティ課題があり、該当する経験を持つプロバイダは、その課題に効果的に対処する態勢が整っているためです。

CISSP、CISM、CEHなどの資格を持つ認定セキュリティ プロフェッショナルが在籍するプロバイダを探してください。これらの資格は専門知識の証であり、高度な脅威に対処するために必要なスキルと知識があることを示しています。

また、サイバー脅威の管理と対応に関するプロバイダの実績を見極めてください。ケース スタディ、顧客の声、参考資料から、プロバイダのパフォーマンスと信頼性に関する有益な情報が得られ、適切な意思決定に役立ちます。

提供されるセキュリティ サービスの範囲と深さ
プロバイダは、脅威ハンティング、インシデント レスポンス、エンドポイント ディテクション、脅威インテリジェンスを含む、広範囲のサービスを提供する必要があります。広範なサービスを提供するプロバイダは、セキュリティのあらゆる面に対応でき、包括的な保護を提供できます。

また、プロバイダがエンドポイント ディテクション&レスポンス(EDR)、セキュリティ情報イベント管理(SIEM)、次世代アンチウイルス(NGAV)、拡張ディテクション&レスポンス(XDR)などの高度なテクノロジを使用していることの確認も重要です。これらの高度なテクノロジは、脅威の検出とレスポンスの機能を大幅に強化します。

さらに、プロバイダは組織の成長とセキュリティ ニーズの進化に応じてサービスを拡張できることも必要で、組織の拡大に適応して継続的な保護を維持しなければなりません。

セキュリティ ソリューションのカスタマイズと柔軟性
組織の具体的な要件に合わせて調整された、カスタマイズ可能なセキュリティ ソリューションを提供しているプロバイダを選択します。汎用のソリューションでは、組織固有のセキュリティ課題を十分に解決できない場合があります。必要に応じてサービスを調整できる、柔軟な契約条件を提供しているプロバイダを探してください。このような柔軟性があれば、融通の利かない契約に縛られることなく、変化するセキュリティ環境に適応できるようになります。

MDRソリューションは、既存のセキュリティ インフラストラクチャとツールにシームレスに統合できることが必要です。これにより移行がスムーズになり、セキュリティ運用の有効性が最大になります。

MDRサービスへの移行: 段階的なプロセス

MDRサービスへの移行は、スムーズかつ効果的に実施できるように体系化されたアプローチで行う必要があります。このプロセスは、以下に示すいくつかの主なステップからなります。

ステップ1: 現在のセキュリティ体制の評価
最初のステップは、現在のセキュリティ体制の評価です。詳細なギャップ分析を実施して、既存のセキュリティ ツール、プロセス、能力を評価することにより、改善の余地を見つけます。リスク評価を行って組織の具体的な脅威環境を把握し、ただちに対処する必要がある部分に高い優先順位を付けます。

ステップ2: 明確な目標の定義
次に、脅威の検出の改善、インシデント レスポンスの迅速化、全体的なセキュリティ体制の強化など、MDRサービスによって達成したい明確な目標を定義します。サービスの範囲、テクノロジ、統合の必要性など、MDRプロバイダに対する具体的な要件の概要を定めます。

ステップ3: 適切なプロバイダの選択
専門知識、サービス範囲、柔軟性など、検討すべき重要事項に基づいて、プロバイダの候補を評価して絞り込みます。面談を実施し、提案依頼とデューデリジェンスを行います。可能ならば、概念実証(PoC)を実行してプロバイダの能力をテストし、要件を満たしていることを確認します。

ステップ4: 実装計画の策定
移行に必要なステップ、タイムライン、リソースの概要を示す、詳細な実装計画を策定します。社内チームとMDRプロバイダの双方の役割と責任を定義し、関係者全員が移行プロセス全体にわたって常に状況を把握できるようにコミュニケーション戦略を定めます。

ステップ5: 実行
MDRプロバイダと連携してサービスのオンボーディング(プロバイダのテクノロジと既存のインフラストラクチャの統合など)を行うことにより、移行を実行します。社内チームがMDRプロバイダと連携して作業する方法を理解し、新しいツールを効果的に活用できるように、社内チームに対してトレーニングを提供します。

ステップ6: 継続的な監視
最後に、MDRサービスを継続的に監視して、期待どおりのパフォーマンスを発揮していることを確認します。MDRプロバイダが提供するレポートと指標を定期的に確認し、プロバイダと連携してサービスを最適化し、問題やギャップがあれば対処します。

MDRソリューションの有効性の測定

MDRソリューションの有効性の測定は、望ましいセキュリティ成果が得られていることを確認するために重要です。MDRサービスのパフォーマンスを評価するための主な指標と方法は、以下のとおりです。

検出とレスポンスの指標

  • 平均検出時間(MTTD): 脅威の検出にかかった平均時間を測定します。MTTDが短いほど、脅威検出能力が高いことを示しています。
  • 平均対応時間(MTTR): 脅威への対応と緩和にかかった平均時間を測定します。MTTRが迅速であるほど、インシデント レスポンス プロセスの有効性が高いことを示しています。

脅威インテリジェンスと分析の指標

  • 誤検知率: MDRソリューションから生じた誤検知の件数を追跡します。誤検知率が低いほど、脅威検出の精度が高いことを示しています。
  • 脅威保護範囲: MDRソリューションによって検出された脅威の範囲とタイプを評価します。脅威保護範囲が包括的であれば、さまざまな攻撃ベクトルに対する保護が強固になります。

インシデント レスポンスの指標

  • インシデント解決時間: セキュリティ インシデントの完全な解決にかかった時間を測定します。解決時間が短ければ、事業運営への影響が最小限になります。
  • インシデント後の分析: インシデント後の分析を実施して、レスポンスの有効性を評価し、改善の余地を見つけます。

顧客満足度の指標

  • フィードバックとアンケート: 内部関係者からのフィードバックを収集して、MDRサービスに対する満足度を評価します。アンケートと面談により、有効性と改善の余地について有益な見識が得られます。
  • サービスレベル契約(SLA): MDRプロバイダのSLAの遵守状況と、合意した指標を基準としたプロバイダのパフォーマンスを確認します。

継続的な改善

  • 定期レビュー: MDRプロバイダとともに定期レビューのスケジュールを定めて、パフォーマンスについて話し合い、問題に対処し、改善の機会を探ります。
  • 新しい脅威への適応: 新しく台頭する脅威に適応するために、MDRプロバイダがテクノロジと戦略を継続的に更新していることを確認します。

最新のサイバーセキュリティ戦略へのMDRの影響

MDRサービスは、最新のサイバーセキュリティ戦略に欠かせないものになりました。これらのサービスは、脅威の検出とレスポンスのために予防的で包括的なアプローチを採用しています。高度なテクノロジを人間の専門知識と統合することにより、MDRは組織のセキュリティ体制を大幅に強化します。

MDRは、継続的な監視と高度な分析を使用して、被害が生じる前に脅威を特定し、緩和することによって、セキュリティを高めます。EDR、SIEM、XDRなどのツールが異常の有無を継続的にスキャンする一方で、熟練した脅威ハンターが隠れた脅威を積極的に探します。この予防的なアプローチによって、損害や業務中断が最小限に抑えられます。さらにMDRは、効果的な脅威の処理、関係者とのコミュニケーション、フォレンジック分析、インシデント後のレビューを確実に行って、インシデント レスポンスに優れた能力を発揮します。

現在の脅威や新たな脅威に関する見識を提供する脅威インテリジェンスは、セキュリティ戦略を練り上げるために不可欠です。MDRプロバイダは、さまざまなソースからのリアルタイムの脅威データを統合して検出とレスポンスの戦略を決定します。これにより、組織は最も関連性の高い脅威に基づいて対策の優先順位を付けることができます。このインテリジェンスは、現在の脅威環境に確実に一致する、回復力と適応性の高いセキュリティ ポリシーの策定に役立ちます。

MDRサービスは、アラートの絞り込みと優先順位付けによってアラート疲れに対処するため、セキュリティ チームは本物の脅威に集中できます。高度な機械学習アルゴリズムと動作分析が誤検知を減らし、インシデント レスポンス プロセスを効率化します。これにより、より素早く効果的に脅威が緩和され、サイバー攻撃の影響が最小限になり、全体的なセキュリティが強化され、事業継続性が確保されます。

マネージド ディテクション&レスポンス(MDR)についてのFAQ

EDRの導入にはいくつかの主なメリットがあり、たとえばリアルタイム モニタリングとエンドポイントのアクティビティの可視化は、悪意のある動作の早期検出に役立ちます。EDRソリューションは、セキュリティ インシデントの範囲と影響の把握に役立つ詳細なフォレンジック データを提供します。また、EDRツールは自動応答機能を組み込んでいることが多く、脅威を迅速に封じ込めて緩和できるため、損害が生じる可能性が減ります。エンドポイントのアクティビティに関する詳細なログとレポートにより、規制要件へのコンプライアンスもEDRによって強化されます。
EDRソリューションは、セキュリティ情報イベント管理(SIEM)システム、ファイアウォール、アンチウイルス ソフトウェアなど、ほかのセキュリティ ツールやシステムとシームレスに統合するように設計されています。この統合により、一元化されたセキュリティ アプローチが可能になり、EDRからのデータをほかのソースからの情報と関連付けて、セキュリティ環境を包括的に可視化できます。EDRツールはアラートとログをSIEMシステムに送信でき、一元化された分析とレポートが可能になるため、全体的な脅威の検出とインシデント レスポンスの機能が強化されます。この相互運用性により、組織を保護するためにすべてのセキュリティ対策が一貫して連携するようになります。
EDRソリューションを導入する際の一般的な課題としては、エンドポイントによって生成されるデータの量を管理すること、EDRツールの正しい構成とチューニングを維持すること、脅威を分析して対応するスキルのある要員のニーズに対応することが挙げられます。これらの課題は、以下のようにして克服できます。
  • データ管理戦略の実施: データ フィルタリングと優先順位付けの手法を使用して、大量のデータを管理し、理解します。
  • 適切な設定: EDRベンダーと連携して、組織の具体的なニーズに合わせてツールが適切に設定され、調整されていることを確認します。
  • トレーニングと雇用: EDRソリューションを効果的に管理して活用できるように、既存スタッフのトレーニングや、スキルのあるサイバーセキュリティ専門家の雇用に投資します。
  • レスポンスの自動化: 日常的な脅威への対処にはEDRツールの自動化されたレスポンス機能を利用し、人的資源の負担を軽減して複雑なインシデントに注力できるようにします。
これらの課題に予防的に対処することにより、組織はEDRの導入効果を最大限に高め、全体的なセキュリティ体制を強化できます。