セキュリティーの統合的なアプローチを追求する組織の75%が、セキュリティー、ハイブリッドクラウド、AIなどテクノロジー・プラットフォーム間の 統合が重要である、と回答

 

IBMの調査機関であるIBM Institute for Business Value(IBV)とパロアルトネットワークスは、この度、共同で実施したグローバル調査報告の日本語版を公表しました。調査対象の組織では平均29社のベンダーの83種類の異なるセキュリティー・ソリューションを使用し、セキュリティーの複雑性という課題に直面していることが明らかとなりました。また、セキュリティーのプラットフォーム化を進めている企業の70%は、サイバーセキュリティーへの投資は業務の効率化や収益創出などのビジネス成果に寄与していると回答しています。

「サイバーセキュリティーを収益源に変えるには:セキュリティー・プラットフォームでビジネス価値を生み出す方法」と題された今回の調査で、経営層の過半数(52%)が、セキュリティー・ソリューションの断片化によりサイバー脅威への対応が制限されている、と回答しました。一方で、セキュリティーのプラットフォーム化を導入している組織の75%は、セキュリティー、ハイブリッドクラウド、AI、その他のテクノロジー・プラットフォームとの統合の強化の重要性を指摘しています。調査分析では、進化するセキュリティーの脅威に対処するためにソリューションを追加する傾向は、パフォーマンスと収益の両方に影響を及ぼし非効率につながる一因とされています。一方、セキュリティーのプラットフォーム化アプローチへ移行することによって、組織はセキュリティーの有効性を犠牲にすることなく、対応時間とコスト双方の削減が可能となります。

サイバーセキュリティーの複雑性という厳しい現実

デジタルの相互接続性の向上により、攻撃対象領域は拡大し、サイバーセキュリティーで対応すべき新たな脆弱性が発生する可能性があります。サイバー攻撃はより巧妙化し防御が困難になっており、防御側と攻撃側の双方がAIを活用し、サイバーセキュリティー能力をめぐる攻防が生じています。

脅威環境が変化する中、今回の調査で、経営層はセキュリティーの断片化や複雑性によって年間収益の平均5%のコストがかかっていると見積もっています。例えば年間収益1億円の企業の場合では500万円のコストになります。セキュリティー・インシデント、生産性の損失、デジタル変革の手詰まり、AIへの取り組みの停滞、顧客からの信頼喪失、風評被害などのコストを総計すると膨大なものとなります。

IBM サイバーセキュリティー・サービス担当グローバル・マネージング・パートナー、マーク・ヒューズ(Mark Hughes)のコメント:

組織は新たな脅威に対応するためにセキュリティー対策を刷新する一方で、複雑性を軽減しコストを削減する必要に迫られています。セキュリティー担当役員は、イノベーションを実現し、資産を保護し、サイバーセキュリティー投資から価値を引き出して、組織の成長と事業目標の達成を支援しなければなりません。

パロアルトネットワークス 次世代セキュリティー担当プレジデント、カリム・テムサマニ(Karim Temsamani)のコメント:

セキュリティーのプラットフォーム化アプローチによるプラスの効果や、組織にもたらすメリットを当社は目の当たりにしてきました。AIに沸く今日の世界では、強固なパートナーシップがこれまで以上に重要になります。IBMとパロアルトネットワークスは価値、運用、セキュリティーのいずれにおいても、顧客により良い成果を創出する、というビジョンを共有しています。これは現在の「断片化」を改善するだけでなく将来に向けてさらに良い成果を実現するものです。

調査から得られたビジネスリーダーの主な見解:

  • 回答者の52%が、サイバーセキュリティー業務の最大の障壁は「複雑性」と回答
  • 80%がセキュリティー・コスト削減のプレッシャーに直面しており、また41%がセキュリティーの断片化により調達コストが増大していると回答
  • プラットフォーム化を採用していない組織の80%が、自社のセキュリティー運用では膨大な脅威や攻撃に効果的に対処できない、と回答
  • プラットフォーム化を採用する企業の80%が、潜在的な脆弱性や脅威を完全に可視化していると回答
  • プラットフォーム化を採用する企業では、セキュリティー・インシデントを検知するまでの平均時間(MTTI)を72日、また封じ込めるまでの平均時間(MTTC)を84日短縮

プラットフォーム化でビジネスを強化:デジタル変革の力を解き放つ

今回の調査から、今日効果的にセキュリティーを確保するためにはプラットフォーム化が必要であることが示されています。複数のツールを統合プラットフォームに集約することで、セキュリティー態勢が強化されるだけでなく、サイバーセキュリティーへの投資利益率(ROI)が約4倍向上し、収益創出と業務効率の改善につながります。

AIについても、プラットフォーム化アプローチによりデータの取り込みや分析を向上させ、実用的なインサイトの提供が可能になります。回答した経営層の90%が今後2年以内にAIによる規模の拡大、最適化、イノベーションを期待しています。また自社のプラットフォームにAIを統合することは、セキュリティーへの備えを進めるうえで非常に重要な役割を担う可能性があります。例えば、セキュリティーのためのエージェント型AIの採用を加速し、投資サイクルを短縮するためにプラットフォーム化を活用すること、あるいは、未来を形作るAI能力を提供するために必要な共通ガバナンスの構築においてプラットフォーム化を活用することなどが考えられます。

プラットフォーム化のアプローチを採用することで、テクノロジーを調整し、イノベーションを推進しつつ、セキュリティーをビジネス要件の中核に据えることができます。IBMとパロアルトネットワークスは戦略的パートナーシップを通じて最先端のセキュリティー・プラットフォーム、AI、トランスフォーメーション能力を結集し、組織が自信をもってデジタル変革を進め、望ましい成果を達成し、実質的なビジネス価値を促進できるよう支援します。

プラットフォーム化を成功させる秘訣

  • セキュリティー・ミッションを効率化するパートナーを選択し、そうでない取引先を取りやめる:現在利用している、または導入を検討しているテクノロジー、サービス、また支援パートナーを厳しく評価し、重点的に投資したい分野や契約解除の時期を見極めます。
  • プレイブックを実行する:インシデント対応訓練を実施し、統合プラットフォームが最も効果を発揮できる領域を特定します。インシデント対応能力を強化する措置を講じます。
  • 実際に体験し脅威に備える:サイバーレンジを活用し、ビジネス部門、技術部門の担当者が最新のサイバー脅威に対応できるよう組織全体のビジネスに焦点を当てたトレーニングを実施します。IBMとパロアルトネットワークスは、米国マサチューセッツ州ケンブリッジで共同サイバーレンジを提供しており、プラットフォーム化によるセキュリティー業務モデルの変革を進めるお客様の継続学習、トレーニング、変更管理を支援しています。

 

参考情報:

IBMとパロアルトネットワークスのパートナーシップについて

https://www.ibm.com/jp-ja/consulting/palo-alto

プラットフォーム化におけるパロアルトネットワークスの見解と IBM IBV との共同調査の詳細について

https://www.paloaltonetworks.jp/resources/research/ibm-study-platforms-deliver-value

パロアルトネットワークスのIgnite on Tourより更に詳細情報をご確認いただけます

https://register.paloaltonetworks.com/igniteontour

 

調査手法:

IBM Institute for Business Value(IBV)がオックスフォード・エコノミクス(Oxford Economics)社の協力のもと、パロアルトネットワークスと連携して公開した今回の調査は、18か国21業界の1,000名の経営幹部を対象に2024年7月から9月に実施。IBM IBVは、回答者から得た洞察やデータの分析により組織のプラットフォーム化への程度を計る「プラットフォーム化指数」を作成し、その指数を活用してセキュリティーのプラットフォーム化とセキュリティー成果とビジネス成果における相関性を明らかにした。

IBM IBVは、IBMのソート・リーダーシップ・シンクタンクとして、グローバル調査やパフォーマンスデータを業界の有識者や学術界の第一人者の専門性と組み合わせてインサイトを提供し、ビジネスリーダーを支援しています。世界屈指のソートリーダーシップについては、https://www.ibm.com/thought-leadership/institute-business-value/jp-jaをご覧ください。

 

IBMについて
IBMは、世界をリードするハイブリッドクラウドとAI、およびコンサルティング・サービスを提供しています。 世界175カ国以上のお客様の、データからの洞察の活用、ビジネス・プロセス効率化、コスト削減、そして業界における競争力向上を支援しています。 金融サービス、通信、ヘルスケアなどの重要な社会インフラ領域における4,000以上の政府機関や企業が、IBMのハイブリッドクラウド・プラットフォームとRed Hat OpenShiftによって、迅速に、効率良く、かつセキュアにデジタル変革を推進しています。 IBMは、AI、量子コンピューティング、業界別のクラウド・ソリューションおよびコンサルティングなどの画期的なイノベーションを通じて、オープンで柔軟な選択肢をお客様に提供します。 これらはすべて、信頼性、透明性、責任、包括性、ならびにサービスに対するIBMのコミットメントに裏付けられています。 詳細は、www.ibm.comをご覧ください。

※IBM、IBM ロゴ、ibm.comは、 米国やその他の国におけるInternational Business Machines Corporationの商標または登録商標です。他の製品名およびサービス名等は、それぞれIBMまたは各社の商標である場合があります。現時点での IBM の商標リストについては、ibm.com/trademarkをご覧ください。

 

パロアルトネットワークス株式会社について

パロアルトネットワークスは、サイバーセキュリティのグローバルリーダーです。企業や組織が安心してテクノロジーを活用できるよう、サイバー脅威を克服するための技術革新に努め、世界中のあらゆる業界の何千ものお客様に、次世代サイバーセキュリティを提供しています。最高クラスのサイバーセキュリティプラットフォームとサービスは、業界をリードする脅威インテリジェンスに支えられ、最先端の自動化によって強化されています。ゼロトラストエンタープライズの実現に向けた製品の導入や、セキュリティインシデントの対応、ワールドクラスのパートナーエコシステムを通じたより良いセキュリティ成果の提供などにより、毎日をより安全なものにするための支援に取り組んでいます。それが、パロアルトネットワークスがサイバーセキュリティのパートナーとして選ばれる理由です。

パロアルトネットワークスでは、ミッションの実現に向けて最高の人材を集めることに尽力しており、Newsweek誌の「最も愛される職場」(2021年)、Comparably(職場文化モニタリングプラットフォーム)の「多様性に優れた企業」(2021年)、HRC(ヒューマンライツキャンペーン)の「LGBTQ平等のための最高の場所」(2022年)に選出されています。詳しくは https://www.paloaltonetworks.jpをご覧ください。

※Palo Alto Networks、Palo Alto Networksロゴは米国およびその他の国・地域におけるPalo Alto Networksの登録商標または商標です。本書に記述されているその他すべての商標、商号、サービスマークは、各所有者に帰属します。

 

※本プレスリリースはカリフォルニア州サンタクララ発、2025年1月28日発表の抄訳をもとにしています。原文はこちらをご覧ください。

 

報道関係者からのお問い合わせ

パロアルトネットワークス株式会社
コーポレートコミュニケーション 松島由起子
Email: ymatsushima@paloaltonetworks.com

パロアルトネットワークス広報事務局(共同ピーアール内)
担当:近藤、松田、兪(ゆう)、石谷
Email: panw-pr@kyodo-pr.co.jp
TEL: 080-8914-9372(兪)

日本アイ・ビー・エム株式会社 広報 内山
広報代表 TEL: 03-3808-5120 / E-mail: PRESSREL@jp.ibm.com